ぼうや 

ミラージュ 

「まだ気がつかねえのかよ、ぼうや、あれは蜃気楼なんだよ」
おれは一瞬、言葉を失った。
寺尾次郎がふたたびぐすっと笑った。

(「猛き箱舟船戸与一



船戸小説の登場人物たちはよく「ぐすっ」と笑う。男くさーい雰囲気にとても馴染む。


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日日 

love 

「愛はすべてのはずだ。ところが、その愛すらも無に帰してしまうことがある——ということが私をおびやかす。そのことは、私が生まれる以前の日日から私の死んだ以後の日日までに亘って私をおびやかすのさ」

(「パパ・ユーアクレイジーサローヤン 伊丹十三/訳 )


悦に浸るための長ゼリフいっちょ上がりといったところか。まあ嫌いじゃないけどね。


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しろもの 

fridg 

そうか。と自分は得心したが、しかし、どこか心に引っかかる部分があるというのは、自分としては、冷蔵庫などという散文的な、ある種、無粋な機械ではなくして、詩心のある物を買ってやりたかったのである。

(「夫婦茶碗町田康




町田の小説に流れる猥雑な伴奏曲。ひどく疲れてしまう。なんかドグラマグラに似てるように思う。




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去るのによい場所 

losangeles 

ロスは訪れるより、去るのによい場所だ。

(映画「コーヒー&シガレッツ」)


最初から最後までジム・ジャームッシュな映画。表現で遊んでみる。
「五反田は訪れるより、去るのによい場所だ」
「土曜日の会社は訪れるより、去るのによい場所だ」
「駅の遺失物預かり窓口は訪れるより、去るのによい場所だ」
「正月明け早々の社員総会会場は訪れるより、去るのによい場所だ」




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仲直りする 

friend 

「ショーン、その…」
「僕もだ、ジェリー」
「よかった」

(映画「グッド・ウィル・ハンティング」)


諍いを起こした二人の仲直りシーン。この映画、二年かけて練りこんだ脚本だけあってか、一つ一つのセリフのフィット感が心地よい。




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